調査ノート / AI活用
AIモデルとエフォートはどう使い分けるか — GPT-5.6・Claude Opus 5・Fable 5をタスク別に整理する
エフォートとは、モデルが応答全体にかける処理量・深さの強さを調整する設定です。OpenAIではreasoning effortとして推論の深さを調整します。Claudeではthinkingだけでなく、本文やツール呼び出しを含む応答全体のトークン利用に作用します。同じ名前でも、会社をまたぐと意味や内部の目盛りが同じとは限りません。
トークンとは、モデルが処理する文章などの細かな単位です。タスクの難しさに加えて、実際に使う画面やAPIに合わせてモデルとエフォートを選ぶための調査結果を整理しました。
まずタスク別の早見表を示し、その後に公式仕様と、確認できた個人・組織の投稿を分けて説明します。表の推奨は性能保証ではなく、公式の位置づけと個別の運用報告を基にした開始点です。
公開:2026年7月26日 ・ 調査・出典確認:2026年7月25日 ・ 読了目安:12分
早見表 — タスク別の推奨設定
迷ったときは、使っているsurface(利用画面・API)に対応する行から始め、同じ受入条件で結果を比較します。
標準ChatGPTではGPT-5.6 SolをMedium / High / Extra Highとして選び、Proを選ぶとSol Proになります。標準ChatGPTではTerraとLunaを通常会話の選択肢として選べません。
GUI(ChatGPT Work web / desktop / IDE): Light / Medium / High / Extra High(利用可能範囲はモデル・プラン依存)。
Codex CLI: Low / Medium / High / Extra High / Max(設定・API値: low / medium / high / xhigh / max)。
Medium / High / Extra HighはGUI / CLI共通の表示名です。
MaxはChatGPT Work / Codexで設定・モデル・利用可否に応じて選択でき、API値はmaxです。Ultraはeffort値ではなく、複数エージェントを使う別モードです。
OpenAI API: none / low / medium / high / xhigh / max。noneをChatGPT WorkのUI選択肢として一般化しません。
Claude Code / Claude APIではClaude Opus 5 / Fable 5とlow / medium / high / xhigh / maxを使います。
| タスク | 利用先(surface) | モデル | エフォート | 選ぶ理由 |
|---|---|---|---|---|
| 調査・リサーチ | 標準ChatGPT | GPT-5.6 Sol | Mediumから開始し、比較・矛盾解消時にHigh | OpenAI公式が比較・計画・推論に位置づける設定です。通常会話で選べるSolの中で段階的に上げます。 |
| 調査・リサーチ | ChatGPT Work / Codex / OpenAI API | GPT-5.6 Terra または GPT-5.6 Sol | Work: Medium→High / Codex CLI: Medium (medium)→High (high) / API: medium→high | OpenAI公式は比較・計画・推論にmedium/highを位置づけています。確認した個人投稿には、入力改善、エフォート増加、モデル変更の順に試す運用例もあります。 |
| 調査・リサーチ | Claude Code / Claude API | Claude Opus 5 | high | 複雑なエージェント型業務の開始点という公式の位置づけと、現行既定のhighを起点にします。入力を先に改善する個人の運用例もあります。 |
| 文書・資料作成 | 標準ChatGPT | GPT-5.6 Sol | Medium | 標準ChatGPTの通常会話ではSolを選びます。要件が曖昧、または高い正確性が必要なときにHighへ上げます。 |
| 文書・資料作成 | ChatGPT Work / Codex / OpenAI API | GPT-5.6 Terra | Work: Medium / Codex CLI: Medium (medium) / API: medium | 能力・速度・価格の均衡を狙う公式tier(品質・速度・価格帯によるモデルの区分)から始め、要件が曖昧、または高い正確性が必要なときにSolを検討します。 |
| 文書・資料作成 | Claude Code / Claude API | Claude Opus 5 | high | 日常利用の効率と高い能力を両立する公式の位置づけと、現行既定のhighを起点にします。 |
| コードレビュー | 標準ChatGPT | GPT-5.6 Sol | High、難所のみExtra High | 最高品質tierという公式の位置づけからSolを選びます。個人の比較では高エフォートで改善しなかった例もあるため、段階的に上げます。 |
| コードレビュー | ChatGPT Work / Codex / OpenAI API | GPT-5.6 Sol | Work: High→Extra High / Codex CLI: High (high)→Extra High (xhigh) / API: high→xhigh | OpenAI公式が深い推論を対象にしています。一方、個人の比較では高エフォートで結果が改善しなかった例もあり、maxを既定にはしません。 |
| コードレビュー | Claude Code / Claude API | Claude Opus 5 | high、難所のみxhigh | Anthropic公式が複雑なエージェント型コーディングを対象にしています。上位モデルでもレビューを省略しないという個人報告もあります。 |
| 日常的な実装・小規模修正 | 標準ChatGPT | GPT-5.6 Sol | Medium、不足時にHigh | 標準ChatGPTの通常会話ではSolを選び、明確な実装はMediumから始めます。先に入力を改善する個人の運用例とも整合します。 |
| 日常的な実装・小規模修正 | ChatGPT Work / Codex / OpenAI API | GPT-5.6 Luna または GPT-5.6 Terra | Work: Medium→High / Codex CLI: Medium (medium)→High (high) / API: medium→high | LunaとTerraは低コスト・低レイテンシ、または均衡の公式tierです。明確な実装で上位モデルを常用しない運用例とも整合します。 |
| 日常的な実装・小規模修正 | Claude Code / Claude API | Claude Opus 5 | medium、不足時にhigh | 日常利用の効率と高い能力を両立する公式の位置づけから、明確な作業ではmediumから評価します。 |
| 大型リファクタ・長時間自律タスク | 標準ChatGPT | GPT-5.6 Sol(Pro選択時はSol Pro) | Highから評価し、必要時だけExtra High | 標準ChatGPTではSolを選び、最難関でProを選ぶ場合はSol Proになります。完了品質や再試行回数を同条件で比較します。 |
| 大型リファクタ・長時間自律タスク | ChatGPT Work / Codex / OpenAI API | GPT-5.6 Sol | Work: High→Extra High / Codex CLI: High (high)→Extra High (xhigh) / Work / Codex: Max(設定・モデル・利用可否に応じて選択) / API: high→xhigh / max | 最高品質tierという公式の位置づけからSolを選びます。個人の比較では高エフォートで改善しなかった例もあるため、maxを既定にはしません。 |
| 大型リファクタ・長時間自律タスク | Claude Code / Claude API | Claude Fable 5 または Claude Opus 5 | highから評価し、必要時だけxhigh / max | Fable 5は公式に長時間・最難関タスク向けです。ただし、maxは性能の頭打ちや考え過ぎを評価してから採用します。 |
タスク別の考え方
まず公式の位置づけを起点にする
標準ChatGPTの通常会話ではGPT-5.6 SolをMedium / High / Extra Highとして選び、ProではSol Proを選びます。TerraとLunaは標準ChatGPTの通常会話では選べません。
ChatGPT Work、Codex、OpenAI APIでは、Solが最高品質、Terraが能力・速度・価格の均衡、Lunaが低価格・低レイテンシのtierです。GUIの最小表示はLight、Codex CLIの最小表示はLowです。Medium / High / Extra HighはGUI / CLI共通の表示名です。MaxはChatGPT Work / Codexで設定・モデル・利用可否に応じて選択でき、API値はmaxです。OpenAI API値はnone / low / medium / high / xhigh / maxです。利用可能範囲はモデル・プランにより、Ultraはeffort値ではなく別モードです。
Claude Opus 5は複雑なエージェント型コーディングとエンタープライズ業務の開始点、Fable 5は最高能力、長時間のエージェント処理、曖昧で複雑な問題向けという公式の位置づけです。Opus 5とFable 5の現行既定エフォートはhighです。
調査・リサーチ
標準ChatGPTはSolのMedium、WorkはMedium、Codex CLIはMedium(medium)、OpenAI APIはmedium、Claude Code / APIはOpus 5のhighから始めます。比較や矛盾解消が必要なら同じsurface内で段階的に上げます。
文書・資料作成
標準ChatGPTはSolのMedium、WorkはMedium、Codex CLIはMedium(medium)、OpenAI APIはmedium、Claude Code / APIはOpus 5のhighを起点にします。Work / Codex / APIでは均衡tierのTerraを使い、要件の曖昧さや求める正確性に応じて上げます。
コードレビュー
標準ChatGPTとWorkはSolのHigh、Codex CLIはHigh(high)、OpenAI APIはhigh、Claude Code / APIはOpus 5のhighを使います。難所だけWorkのExtra High、Codex CLIのExtra High(xhigh)、APIのxhighを試します。個人投稿では、上位モデルでもレビューを省略しないと投稿者が述べています。
日常実装・小規模修正
標準ChatGPTとWorkはMedium、Codex CLIはMedium(medium)、OpenAI APIはmedium、Claude Code / APIはOpus 5のmediumから始めます。Work / Codex / APIではLunaまたはTerraを使い、不足が確認できたときだけ上げます。
大型リファクタ・長時間自律タスク
標準ChatGPTとWorkはSolのHigh、Codex CLIはHigh(high)、OpenAI APIはhigh、Claude Code / APIは長時間・最難関向けのFable 5またはOpus 5のhighから評価します。必要時だけWorkのExtra High、Codex CLIのExtra High(xhigh)、APIのxhighへ上げます。MaxはWork / Codexで設定・モデル・利用可否に応じて選択し、APIではmaxを指定します。
原理編 — エフォートはなぜ上げすぎても得しないのか
高いほど常によい、ではない
maxは最高出力を常に保証する段階ではありません。Anthropicは広範に採用する前の評価を案内しており、確認した個人報告にもHighよりXHighがよくなかった例があります。タスク、入力、評価軸を固定して比較する必要があります。
トークン単価だけでなく、手戻りまで測る
高エフォートはトークンと待ち時間を増やしうる一方、難しい調査、設計、根本原因の特定では手戻りを減らす可能性があります。API価格だけで決めず、完了品質、再試行回数、入力・キャッシュ、所要時間を同じ受入条件で記録します。API価格はサブスクリプションの利用枠とは別です。
対話と長時間自律実行では、失敗の広がり方が違う
対話では途中で要件や前提を訂正できるため、mediumやhighから始めやすくなります。長時間の自律実行では誤った計画の波及コストが大きいため、難所だけ高性能モデルをLeadやReviewerに置く余地があります。重要な実行では、指定値だけでなく実行ログ上のモデルとエフォートも確認します。
コミュニティの声
ここからは公式仕様ではなく、2026年1月以降に本文と要旨を照合できた19件の個人・組織の投稿です。肯定3件、中立9件、批判7件に分類しましたが、利用環境、プラン、プロンプト、リポジトリ、利用枠は統制されていません。個々の報告から全体傾向やモデルの比較優位は断定できません。
肯定的な報告
Fable 5をLeadやmanager、下位モデルやSolをWorkerに分ける運用例がありました。別の投稿では、GPT-5.6 Solで問題理解と往復が改善したという初期の感想がありました。いずれも投稿者の経験です。
批判・不満の報告
XHighよりHighがよかった評価例、HighからMaxで設計がほぼ改善しなかった比較、利用枠や待ち時間への不満がありました。上位モデルの誤った結論を別モデルが検出した経験も報告されています。
使い分けの工夫
入力改善、エフォート増加、モデル変更の順に試す方法や、方針決定だけ上位モデル、実装は低価格のモデルに分ける方法が紹介されていました。品質、トークン、遅延、再試行を記録する例もあります。
参考資料
公式仕様はOpenAI・Anthropicの一次情報、コミュニティの声は本文と要旨を照合できた投稿を掲載しています。Hacker Newsの2件は通常ページが確認時に429となったため、同じ投稿IDの公式Firebase APIでも本文を照合しました。いずれも2026年7月25日確認です。
公式一次情報
- OpenAI: GPT-5.6
- OpenAI: Models
- OpenAI: Reasoning
- OpenAI: Deployment checklist
- OpenAI: GPT-5.6 Sol
- OpenAI: GPT-5.6 Terra
- OpenAI: GPT-5.6 Luna
- OpenAI Help: GPT-5.6 in ChatGPT
- OpenAI: ChatGPT Work / Codex models and reasoning effort
- Anthropic: Effort
- Anthropic: Claude Code model configuration
- Anthropic: What’s new in Claude Opus 5
- Anthropic: Claude Fable 5
- Anthropic: Models overview
- Anthropic: Introducing Claude Opus 5
- Anthropic: Redeploying Claude Fable 5
コミュニティ一次発信
- Zenn: LeadとWorkerを分けるエージェント運用例
- X: Fableをmanager、Solをworkerに分ける提案
- Reddit: GPT-5.6 Solの初期利用報告
- Hacker News: HighとXHighの脆弱性検出評価
- HN Firebase API: 投稿49043683の本文
- Reddit: Opus 5とFable 5の初期比較
- Reddit: Sol Mediumの利用枠に関する報告
- Zenn: HighとMaxの設計比較
- Zenn: 指定設定と実行ログが異なった報告
- Reddit: 小規模修正でのLuna XHigh利用報告
- Reddit: Sol Ultraの利用枠に関する報告
- Hacker News: 最高性能と性能・コスト比についての投稿
- HN Firebase API: 投稿49043399の本文
- Zenn: Fable換算の費用と役割分担
- Zenn: LunaのMediumとXHighの比較
- Reddit: GPT-5.6モデルを段階的に切り替える運用例
- Zenn: 入力、エフォート、モデルを順に見直す運用例
- Qiita: Terra、Sol、Lunaの使い分け例
- GitHub Community: FableとOpusの利用枠に関する報告
- Reddit: Fable 5の品質と利用枠に関する報告
- Simon Willison: Fable 5のエフォート別試用記録